<帯より>僕のように現実に帰るという意味での「ふるさと」などどこにもなく、ただ恋を恋するが如くイメージで「ふるさと」を追っかけている者にとって、「ふるさと」とはきっと、幼時からの無数の記憶のさまざまな断片をつなぎ合わせてふくらませた、あるユートピアというか、原景なんじゃないかって自分で思うわけです。そんな「ふるさと」像の具現の場所として、僕にはやはり遠野へのこだわりが抜きさしならずあったというほかないんです。
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